議会報告
平成23年12月13日 質問答弁
【質問者】若江議員
【答弁を求められた者】教育長
【主管課等】学校教育課

【質問要旨】

5教科書採択について
(1)愛媛県から指導助言があったとおり、教科書を採択するに当たって
松山市教科書採択委員会が採択すべき教科書を事前に絞り込むことが
ないようにすべきと考えるがどうか。
(2)市民から育鵬社の教科書に賛同する意見100通以上、署名は、1万
3,200名もあったと聞いたが、市民の意見をどのように教科書採択の参
考としたのか。



【質問】

次に教科書採択についてお尋ねいたします。
今年行われました平成24年度から中学校で使用される歴史及び公民の教科書採択において愛媛県教育委員会は、育鵬社を松山市教育委員会は、歴史は東京書籍を公民は日本文教出版を採択いたしました。
今年9月の愛媛県議会本会議において愛媛県教育委員会の藤岡教育長は、どのような判断に基づき、歴史及び公民の教科書を採択したのかとの質問に対し、愛媛県教育委員会では、教育基本法及び新学習指導要領を踏まえ、愛媛県教科用図書選定審議会における調査研究成果を活用しながら、自らの判断とその権限及び責任により採択を行ったものであると答えております。
 さらに、新学習指導要領に定める目標として、歴史分野では、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てること、歴史上の人物と現在に伝わる文化遺産をその時代や地域との関連において理解させ、尊重する態度を育てること、また、公民分野では、自由・権利と責任・義務の関係を広い視野から正しく認識させること、各国が相互に主権を尊重し、各国民が協力し合うことが重要であることを認識させるとともに、自国を愛し、その平和と繁栄を図ることが大切であることを自覚させることなどが掲げられておりまして、これらの目標に最も沿った教科書であるとして、育鵬社の歴史及び公民の教科書を全会一致で採択したものであるとも答えております。
また、都道府県の教育委員会は、使用する教科用図書の採択の適正な実施を図るため、使用する教科用図書の研究に関し、計画し、実施するとともに、市教育委員会の行う採択に関する事務について、適切な指導、助言又は援助を行わなければならないと法律で規定されております。
その中で平成12年7月には、愛媛県から教科書を採択するに当たって、採択すべき教科書を事前に絞り込むことがないようにという指導、助言がありました。
しかし、今年8月11日に開催された本市教育委員会定例会での採択の際の議案書には、松山市教科書採択委員会が選んだ教科書が絞り込まれ推薦されておりました。また、松山市教科書採択委員会の答申書では各中学校および教科書調査部会の推薦であることも記載されておりました。各社の教科書に対する比較検討は総括的に述べられたのみで、調査研究書には推薦された教科書分しか添付されておりません。
 もとより教科書採択の権限は、教育委員にのみ与えられており教師や松山市教科書採択委員会が選ぶことはできませんし法律にそのように規定されております。
他の教科と違い特に教師個人の歴史観や思想、倫理観や道徳心において大きく左右される歴史及び公民の教科書採択においては、全員が教師で組織する教科書調査部会が推薦し、各中学校が推薦し、さらにそれを踏襲する形で松山市教科書採択委員会から教育委員会に絞り込んだ形で答申されれば、よほどの信念を持たない限り教育委員は、中立的考えで自らの判断とその権限及び責任において反対意見を述べることは、困難であろうと思います。
ましてや自分たちの推奨する教科書が採択されないグループが、訴訟を起こしたとする記事が新聞紙上に出れば教育委員は、萎縮もするでしょうし、たまったものではありません。
私は8月11日の教育委員会定例会を傍聴いたしましたが、確かに最終決定は、教育委員の多数決で決まりましたが、教科書調査部会や松山市教科書採択委員会の答申を追認する儀式を見ているように感じ非常に残念でありました。
そこで教育委員の職責の独立性と明確化のため今後、愛媛県から指導、助言のあったとおり、教科書を採択するに当たって、松山市教科書採択委員会が採択すべき教科書を事前に絞り込むことがないようにすべきと考えますがご見解をお聞かせ下さい。
また、今回の採択では、市民から育鵬社の教科書に賛同する意見100通以上、署名は、1万3,200名もあったとお聞きしましたが、委員会においては、そのことについて全く触れられず教師の意見のみが大きくクローズアップされたと感じました。
そこで、この市民の切実なる意見や声をどのように教科書採択の参考とされたのかお聞かせ下さい。



【答弁】

  若江議員に、教科書採択及び 学校における人権教育についてお答えします。 まず、採択すべき教科書を 事前に絞り込むことについてでありますが、本市においては、平成12年7月に 愛媛県教育委員会から出された 「すべての教科書について調査研究を行うこと」 とある通知のとおり、調査部会において、 すべての教科書を対象に調査研究を行い、 その結果を採択委員会に報告しています。 これらの教科書は、 すべて新しい教育基本法や 学習指導要領の趣旨に基づく 文部科学省の検定に合格したものであり、 いずれも小中学校で活用する適性を 備えていると認識しておりますが、 子どもたちの生活体験や地域の特性を踏まえ、 松山の子どもの学びや育ちに もっともふさわしいという観点を重視して、 調査研究を進めました。 また、学識経験者、市民、保護者、 学校関係者ら11名で構成される採択委員会は、採択委員会規則に則り、 これらの報告に基づいて 教育委員会に推薦する教科書を 答申しているものであり、 教育委員会がこの答申を十分勘案することは、 公正で民主的な採択を行うために 必要な審議方法であります。 今回、二つの教科書で 答申とは異なる採択がありましたように、 教育委員は自覚と責任をもって 9教科、15種目すべての教科書について 審議と採択を行っており、 答申の内容が委員の判断を 束縛するものではないと考えています。 次に、市民の意見をどのように 教科書採択の参考としたのかについて でありますが、 教育委員会に寄せられたご意見、ご要望につきましては、 すべて事務局から教育委員会に報告され、 委員はそれらについて閲覧をしております。 議員ご指摘の歴史・公民の教科書に対しては、 賛成・反対、両方の立場から 多数のご意見をいただきました。 教育委員が、教科書や答申書等を 閲覧する際には、 日本の歴史や公民教育に対する 社会全体の関心が高まっていることを 重く受け止め、 いただいたご意見も踏まえて 記載内容を検討するなど、 慎重に研究を重ねました。 しかしながら、寄せられたご意見については、 採択の審議において、委員の中から、 「歴史の中身について、 それをどう教えていくことが、 子どもたちの健全育成につながるのか という教育の視点での論争が ほとんどありませんでした」 といった発言もあり、 子どもの教育の視点からやや離れた、 一面的な評価で語られていたものも 多くありました。 どのような教科書を採択するのか ということにおいては、 子どもの教育を中心にすえた議論を幅広く 展開していくことが最も大切なことであり、 教育委員会といたしましては、 こうした観点からいただいたご意見を しっかりと受けとめて 任を果たしているところであります。

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