議会報告
平成20年6月20日 質問答弁
【質問者】若江議員
【答弁を求められた者】保健福祉部長
【主管課等】障害福祉課・地域保健課・介護保険課

【質問要旨】

2.福祉行政について

(1)知的障害者に対する地域生活への移行促進について
なかなか進まない知的障害者の施設入所から地域生活への移行の現況を踏まえ、地域生活への移行促進に今後は、どのように取り組むのか。

(2)精神障害者の地域生活への移行支援について
これまでどのような支援を行ってきたのか、また、今後はどのように取り組むのか。

(3)精神障害者の施設整備と今後の計画について
これまでの整備状況と今後の計画はどのようになっているのか。

(4)介護施設入所者や認知症高齢者グループホーム入居者の介護状況について虐待とも取れる施設等の実態把握への取り組みや防止策について


【質問】

 次に、福祉行政についてお伺いいたします。
平成18年度に施行された「障害者自立支援法」に基づいて、本市において平成19年3月に策定いたしました「松山市障害福祉計画」の基本方針の中では、身体障害、知的障害、精神障害の3障害の制度を一元化し、サービスの充実を図ること、また重点取り組みとして施設入所者の地域生活への移行や、退院可能な精神障害者の地域生活への移行が掲げられております。
こうした中、地域において日常生活の援助を行い、自立生活を助長、支援し知的障害者の生活の場となるグループホームは、入居希望者が非常に多い反面、その数が少ないこともあり地域生活への移行は、なかなか進展がみられない状況にあります。併せて、障害のある方の更生や訓練の場として積極的な整備が進められてきた入所施設は、「障害者自立支援法」の経過措置期間の最終年度である平成23年度末には、療護更生施設などすべてのサービスが新体系に移行することが余儀なくされておりますが、家族の事情により家庭での継続的な生活支援を受けることや在宅サービスを受けながら借家等で暮らすことが困難な方なども少なくないとお聞きしております。
 一方、入院患者のうち退院可能な精神障害者については、本市計画においては、平成23年度末までに、257人を地域生活へ移行する目標としておりますが、本人の退院意欲の欠如や家族の反対、さらには今なお根強い偏見により嫌悪感や不安感を持つ地域住民の存在などの社会的な要因により、地域生活への移行は進展していない状況でありますし、また、しにくい状況ではないかと思うのであります。
 しかしながら、多くの精神病院では、国策として進められてきた精神障害者の隔離政策の発想から転換して、社会的入院の解消を図るため、退院に向けた取り組みを促進しているとお聞きしております。
 そこで、お伺いしたい第1点目は、知的障害者に対する地域生活への移行促進についてであります。現下の本市の財政状況から考えますと、本市独自の知的障害者に対するグループホーム等、施設整備建設の補助制度は大変難しい中、国の補助制度の創設により今議会において知的障害者グループホーム等建設補助事業に補正予算2,093万3千円が提案されております。しかしながら、なかなか進まない知的障害者の施設入所から地域生活への移行の現況を踏まえ、地域生活への移行促進に今後は、どのように取り組まれるのかお聞かせ下さい。
 第2点目は、精神障害者の地域生活への移行支援についてであります。 国においては、約7万人とも言われております社会的要因による入院患者の地域生活への移行を図るべく、平成20年度から「精神障害者地域移行支援特別対策事業」を展開し、精神障害者の退院促進に対する支援体制の整備を進めているとお聞きしておりますが、本市では、これまでどのような支援を行ってきたのか、また、今後はどのように取り組まれるのかお聞かせ下さい。
 第3点目は、精神障害者の施設整備と今後の計画についてであります。 精神に障害のある方々が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう行政としての支援も様々に求められていると思いますが、根強い偏見や地域住民の嫌悪感や不安感等、社会的な要因により退院後の居住先がないため入院を余儀なくされている方の受け皿の1つとして、精神障害者に対するグループホーム・ケアホームが担う役割は大変大きいものがあるのではないかと考えております。 こうした方々が安心して地域生活へ移行するためのグループホーム・ケアホームの改修のための精神障害者グループホーム等建設補助事業に補正予算600万円が提案されていますが、これまでの整備状況と今後の計画についてお聞かせ下さい。
 第4点目は、介護施設入所者や認知症高齢者グループホーム入居者の介護状況についてであります。
  施設やグループホームで介護サービスを受けている方々の多くは、弱者であります。特にそういった方々の中でも身寄りのない方々や、家族から置き去りにされている方々の介護状況は、外部から計り知ることはなかなかできません。しかしながら介護現場での虐待が、社会問題化しているのは事実であります。先日、現役の介護士の方からこんなお話をお聞きいたしました。身寄りのない方々や、家族から置き去りにされている方々の中には、自分自身で年金や生活保護費を管理できない状態の方がおり、そういった方の年金や生活保護費の管理は、施設管理者が行っているということでありました。その中から施設利用料等は、払い戻しをし支払いがされているが、身の回りのものに関しては、買い替えの手助けをせず、数ヶ月も同じ衣類を着用させたり、さらには、数ヶ月も入浴させなかったりと、ある意味虐待のような扱いを受けているということでありました。年金は、別として生活保護者に関しては、定期的な訪問があるはずであり、身体的な虐待は別として衣類の乱れ等は、見ればすぐに把握できるはずであります。そこで、こういった虐待とも取れる施設等の実態把握への取り組みやこういう事例の防止策についてご見解をお聞かせ下さい。



【答弁】

 若江議員に、福祉行政についてお答えいたします。まず、精神障害者に対する地域生活への移行支援と今後の取り組みについてでありますが、本市におきましては、これまで、社会的入院を余儀なくされている方々及びその家族に対し、社会参加への支援の第一歩として精神保健福祉士や保健師による「精神保健相談・訪問事業」を実施するなど、ニーズに沿った個別支援に取り組んでまいりましたが、退院を不安視する方々への対応に加え、退院後の住居の問題など、地域への移行が十分に進んでいない状況にあります。
 そこで、本年度、国が示した「精神障害者地域移行支援特別対策事業」に基づき、県及び医療機関、地域社会等との橋渡し役となる「地域体制整備コーディネーター」や、退院に向けた個別のプランを作成する「地域移行推進員」を配置するなど、地域生活への円滑な移行を積極的に支援して参りたいと考えております。
 つぎに、知的障害者に対する地域生活への移行促進と精神障害者の施設整備につきましては、関連がありますので一括してお答えいたします。
 障害のある方が住み慣れた地域で、安心して生活するための拠点となるグループホーム・ケアホームの充実を図ることは、重要であると認識しており、知的障害者グループホームにつきましてはこれまでも、積極的に整備促進に努め、現在、54箇所が設置され、また、精神障害者のグループホーム等につきましては、医療法人やNPO法人により、10箇所開設されております。
 こうした中、平成18年度に策定した「松山市障害福祉計画」において、23年度末までに、地域生活へ移行する知的障害者の方につきましては、施設入所者470人の1割、47人、また、退院可能な精神障害者の方につきましては257人を見込んでおります。
 そこで、今回、創設された国の障害者グループホーム等建設補助制度を活用するに際し、手当される国庫補助金を財源として整備するには、事業者の負担が大きい状況にもありますことから、今後の整備促進を図るため本市独自の助成策を講じることとしたものであります。
 今後におきましても、国に対し、知的障害者・精神障害者に対するグループホーム等の補助制度について、あらゆる機会を捉え、拡充要望を継続するとともに、現行の国庫補助制度を充分に活用するなど、計画的な整備に努めて参りたいと考えております。
 最後に、介護保険施設入所者や高齢者グループホーム入居者に対する虐待等の実態把握への取り組みや防止策についてでありますが、虐待は、高齢者の尊厳を冒す重大な問題でありますことから、介護保険施設等においては、従事者に対する虐待防止などの研修の外、利用者や家族からの苦情を適正に処理する体制の整備など、虐待の早期発見や防止に取り組むことが課せられております。
 こうした中、本市におきましては、介護保険施設等に対し定期的に行う実地指導や施設指導監査の外、認知症高齢者グループホームについては、本市と連携した地域包括支援センターや社会福祉協議会などによる訪問、また、グループホーム運営推進会議への参画などにあわせ地域住民や民生委員等の福祉関係者との面談などを行う中で、虐待をはじめとする日常生活の変化など実態把握に努めてきたところでございます。
 今後におきましても、これまでの取り組みに加え入居者等の話しに耳を傾ける傾聴ボランティアを派遣するなど相談体制等一層の充実を図る中で実態把握に努めるとともに、虐待防止対策に取り組んで参りたいと考えております。
以上で答弁を終わります。

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